10世紀前後から,東南アジアの古典世界を象徴する諸王朝が次々に形成され,各地に独自の内発的文化が展開してゆく.アンコールワット,ボロブドゥール,パガン等々-同時代のインドや中国にも肩をならべるものがない,深淵な調和のとれた建造物-そこに凝縮された精神価値の体系を探りつつ,この時代を世界史の文脈の中で綴る.